損益通算とは
損益通算とは、不動産所得、譲渡所得、事業所得、山林所得で生じた損失を他の所得の利益から控除することです
・不動産所得の損失のうち、建物の取得に要した借入金の利子は損益通算できますが、土地の取得に要した借入金の利子は損益通算でません
・譲渡所得の損失のうち、ゴルフ会員権、宝石、別荘など生活と関係のない資産の譲渡損失、株式の譲渡損失、土地・建物(賃貸含む)の譲渡損失は、損益通算はできません
ただし、上場株式、特定公社債等の譲渡損失は、同一年の上場株式の譲渡所得、分離課税を選択した配当所得、利子所得(一部)と損益通算できます
損益通算の手順
① 不動産所得、事業所得の損失を、経常所得内で控除します
② 譲渡所得の損失は、一時所得内(2分の1する前の額)で控除します
③ 残った損失は、経常所得と一時所得の控除後の金額から控除します
④ さらに残った損失は、山林所得、退職所得の順に控除します
繰越控除
・純損失の繰越控除:青色申告者の所得税の計算において、損益通算しても控除しきれなかった損失を翌年以降3年間(法人の場合は10年間)にわたって繰り越し、各年分の所得金額から控除できます
・雑損失の繰越控除:雑損控除(所得から控除できる災害や盗難での損失)で控除しきれなかった雑損失は、翌年以降3年間にわたって繰り越し、各年分の所得金額から控除できます
・上場株式の譲渡損失の繰越控除:損益通算後も控除しきれない金額は、確定申告を行うことで翌年以降3年間にわたって繰り越し、各年分の譲渡所得、配当所得、利子所得と損益通算できます
・居住用財産の譲渡損失の繰越控除:その年の合計所得金額が3,000万円以下で、所有期間が5年超の居住用財産の譲渡損失は翌年以降3年間にわたって繰り越し、各年分の所得金額から控除できます